遺言書は公正証書遺言で書いてもらう方が良い?

2018年04月25日(水)

遺言書は有効なものを作成しなければ遺言者の真意が実現されません。方式に従わない遺言書は無効となってしまいます。
「遺言書の無効や不備によるトラブルをさけたいけれど、どうすれば良いの……?」
そういった方におすすめしたいのが「公正証書遺言」という方式の遺言書です。

公正証書遺言とは?

公正証書遺言とは、遺言書の作成方式の1つで、公証人役場で公証人によって作成される遺言書です。

公正証書遺言を作成する流れは以下になります。

step1 2人以上の証人の立ち合いのもと、遺言者が公証人に遺言の内容を伝え、公証人が遺言書を作成

step2 その内容を遺言者と証人が確認・承認したうえで、各自署名押印

step3 公証人が法律に従って作成した旨を付記し、署名押印することで完成

公証人によって作成されると言っても内容はもちろん遺言者が考え、それを公証人が方式に従って作成します。

遺言書には公正証書遺言のほかに自筆証書遺言という自分で作成する遺言もありますが、方式に従わない遺言は無効になってしまいます。
遺言者が自身の財産を有効に使ってもらうために遺言を残したのに、無効になってしまっては大変です。さらに、遺言書の不備によって、残された親族間でトラブルが起こるケースもあります。これまで仲の良かった者同士が財産をめぐり争いを始める……、遺言者にとってこれほど悲しいことはありませんね。 そういった問題が起きる可能性が非常に少ないのが公正証書遺言になります。

公正証書遺言をおすすめする理由

公正証書遺言のメリット

遺言書を作成する際、公正証書遺言を選ぶ主なメリットは以下の2点です。

  • 公証人が作成するため形式不備によって無効な遺言になる可能性が極めて少ないこと
  • 原本が公証役場に保管されるため偽造や変造の心配がないこと

自筆証書遺言・秘密証書遺言の場合には、遺言者の死亡後、家庭裁判所による検認手続(一種の証拠保全手続き)が必要となりますが、原本が公証役場に保管されるため偽造や変造の心配のない公正証書遺言の場合は必要ありません。
公正証書遺言を作成しておけば、遺言者の意思をすばやく実現することができるのです。相続人に時間や手間をかけさせることもありません。
さらに、万が一法的なトラブルが起きたときでも公正証書遺言は公証人(法務局所属の公務員)が職務上作成する公文書ですから、民事訴訟上、強い証拠能力が備わっています。遺言書の内容が覆る心配が極めて少ないといえます。

これらのことから公正証書遺言は、遺言者の意思が正確に反映され、迅速に実現される形式の遺言書といえるでしょう。

公正証書遺言のデメリット

公正証書遺言のメリットばかり紹介してきましたが、遺言を公正証書遺言にすることにデメリットはないのでしょうか?

公正証書遺言のデメリットとしては、公証人に作成してもらうため一定の費用・手数料がかかることが挙げられます。しかし逆に考えれば、一定の手数料を支払うことで遺言書の正確性・確実性を担保できるわけですから、大したデメリットとは言えません。公正証書遺言を作成するうえで、手数料よりもネックになるのは、煩雑な手続のほうでしょう。

ご自身で公正証書遺言を作成する場合、何度も公証役場に出向かなければなりませんし、戸籍謄本や登記事項証明書(財産に不動産がある場合)など、必要書類も用意しなければなりません。また、2人以上の証人も集めなければなりません。

しかし、この点に関しては、司法書士に依頼することで解決します。
書類の準備や提出・公証役場での公証人との打ち合わせ、どちらも司法書士が行いますから、遺言者の負担を大幅に減らすことができます。
さらに、証人に関しても司法書士と司法書士事務所の職員に依頼することができるので、遺言書の内容を誰かに知られてしまう危険がありません。司法書士には秘密保持義務がありますから安心して任せられます。

遺言書作成には司法書士の力を借りるのが良い理由

ここまで、遺言書の方式は公正証書遺言が良いこと・公正証書遺言の作成は司法書士に依頼するのが良いこと、この2点をご説明してきました。

結論から言いますと、法律面の知識やかかる費用など、トータル的なバランスが最も良いのが司法書士だからおすすめなのです。

遺言のことでお悩みでしたら、一人で悩まずに相続遺言のプロである司法書士に相談してください。

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