今から始められる相続税対策

2018年04月19日(木)

相続税はどのように支払うの?

遺産相続で気になるのはやはり相続税ではありませんか?
相続税はわが国で決められている税金の中でも税率の高い部類に入りますが、本当にたくさん税金を払うべき人は多くありません。

相続税対策を知る前にまずは相続税の仕組みを知りましょう。
相続税は相続財産の総計3000万円+法定相続人の数×600万円を超える部分に課されます。
この非課税分が基礎控除です。そして、各相続人に分配された「あとで」相続税が計算されます。つまり相続税を減らしたければ税率が上がらない範囲で相続することと相続財産を減らすことが大切です。

相続税を節税するなら生前贈与がおすすめ

相続税を減らすためによく用いられる手法が生前贈与です。簡単に説明すれば被相続人が亡くなる前にある程度の財産を分け与えることです。

相続も贈与も財産を与える点では一緒ですが財産の一部を贈与することで相続財産を減らすことができます。贈与の場合に気を付ける贈与税についても毎年110万円までなら非課税です。もちろん110万円は受け取った側(受贈者)の非課税額ですから多くの人間に贈与するほど相続財産を減らせます。
だからこそ、早いうちからの生前贈与が推奨されます。

また、贈与に関しては贈与税が優遇される特例があります。
例えば孫への教育資金は1500万円まで非課税ですし、子や大きくなった孫の結婚資金の贈与も最大1000万円までが非課税となります。このような制度を積極的に利用したいですね。

生前贈与の注意点

相続税の対策におすすめの生前贈与ですが、注意点があることも忘れないでください。

110万円の非課税は贈与された合計である

ある年にされた贈与のうち110万円までは非課税となりますが、それは贈与した額でなく贈与された額によって決まります。受贈者が第三者から贈与を受けたことで不要な贈与税がかかる場合に気をつけましょう。

3年の持ち戻しルールを忘れずに

被相続人がなくなる3年前までに行われた相続人への贈与については、贈与があった財産を相続財産に持ち戻して相続税の計算が行われます。そのため亡くなる直前の贈与は相続税対策に有効と言えません。これも、早いうちから生前贈与を行うべき理由となります。

未成年への贈与も実態が必要

贈与は契約である以上、お互いの同意が求められます。
そのため未成年であっても贈与の事実を知り、実際に財産を管理・処分できる状態にあることが求められます。つまり「相続人名義の通帳を隠しておく」だけでは贈与が成立しません。まだ小さい孫のために孫名義の通帳を残しておく例は少なくありませんが法律上は贈与契約が無効となり、他の相続財産と同じく分割されます。贈与契約の成立を確実なものにしたいなら書面に残しておくことが大切です。

教育資金や結婚資金の非課税も受け取った合計で

贈与税の非課税は受け取った人に対するものです。よって教育資金や結婚資金の非課税枠についても一定の額より受け取った場合は贈与税の対象となります。これらの特例においては「父方・母方の祖父母がともに孫へ贈与した場合」に注意が必要です。

相続時精算課税制度や夫婦間贈与は節税になる?

贈与の特例には相続時精算課税制度や夫婦間贈与がありますがこれらは必ずしも相続税対策となりません。
まず相続時精算課税制度とは毎年の非課税枠の代わりに一生で2500万円の贈与税非課税枠を設定する制度です。
一見、かなり得をするように見えますが相続時精算課税制度を用いて贈与された財産は相続財産として計算されます。つまり相続税はかえって増える可能性があります。相続時精算課税制度が有効活用されるのは贈与税を発生させずに早く不動産を受け取りたいときです。これなら節税とは別のメリットがありますね。

夫婦間贈与は2000万円までが非課税となる制度ですが配偶者が先に亡くなると余計に相続税がかかりますし、そうでない場合も子に相続するためかえって手間が増えることもあります。

詳しい節税対策は司法書士に相談を

このように生前贈与ひとつとってもこれだけの選択肢がありますし、どの方法にも詳細な条件の理解や複雑な税計算が伴います。納得のいく節税対策をするなら民事法のプロである司法書士にご相談ください。
提携税理士と協力して、税額のシミュレーションや不動産登記のサポートなど広く問題解決に努めます。


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